評価項目・規準一覧
6．労働者の権利・健康・福祉の管理
項目番号 項 目 名
全6.1 作業者の権利・健康・福祉に関するリスク評価とその記録、リスク低減対策の実施
項目内容 確認書類(望ましい取組例)
○労働者の権利・健康・福祉に危害を及ぼす要因がないか、リスク評価を行ったことが分かる記録がある。
○リスク評価の結果から、危害がないことを確認しているか、危害を及ぼさない状態にする対策を取っている。少なくとも年1回(リスク要因の変化が考えられる大きな変更があった場合にはその都度）、見直しを行い、更新している。
○雇用において、強制労働や差別がなく、雇用の際は労働条件を提示し、労働条件が遵守されており、全ての労働者の権利・健康・福祉が守られている。外国人労働者の雇用がある場合、在留資格の確認、労働者が理解できる言語で文書提示、雇用状況の届け出等を履行している。		 ○リスク評価表(権利・健康・福祉)【必須】
○労働条件通知書様式【国例示】【参考】
遵守規準

・労働者の権利、健康、福祉に関するリスク評価がされている。
・リスクをふまえた手順書があり、対策がされている。
・リスク要因の変化があった場合、もしくは1年に1回は見直しが行われている。
・労働条件通知書により、労働条件（契約期間、就業時間、就業場所、休日、賃金、退職に関する事項等）が提示されている。
・従業員名簿（氏名、連絡先、業務内容、雇用開始年月日等）、賃金台帳が整備されている。
・提示されている内容が遵守されている。
・外国人労働者を雇用している場合は、言語に配慮し、必要な届出等がされている。
・外国人従業員の氏名、連絡先、出身国、在留資格、労働許可等の確認がされている。
考え方
○労働者の権利、健康、福祉に関するリスク評価表を確認します。リスク評価には、権利、健康、福祉の各項目が含まれていることが求められます。リスク評価を行った日にちを記録します。
○リスク評価は、変更がない場合も1年に1回は見直しをすることが大切です。見直し日を記録します。
（例）
　　労働者の権利：労働時間、作業環境、保険の加入
　　健康：安全対策、ハラスメント防止、健康診断
　　福祉：休憩場所、休暇取得　等
○雇用がある場合、労働条件通知書、従業員名簿、賃金台帳を確認します。
○外国人労働者がいる場合は、対象者が理解できる言語で文書等が提示されていることが大切です。
  評価項目一覧へ戻る



項目番号 項 目 名
全6.2 全作業場で飲料水・救急箱・緊急連絡先・応急手当手順書の設置
項目内容 確認書類(望ましい取組例)
○全ての作業場所で、事故や怪我に備え、飲める水、救急箱、緊急連絡先、応急手当等の手順書を備えるか、携帯している。 ○緊急時の連絡先【必須】
○緊急時の手順書(全1.5)(応急手当等)【必須】
遵守規準
・すべての作業場に飲料水、救急箱、緊急連絡先、応急手当等の手順書が備えられている。もしくは携帯されている。
考え方
○飲用水、救急箱、緊急連絡先、応急手当の手順書は、すべての作業場所に備えるか、携帯することを求めていますので、圃場や施設が複数ある場合は、それぞれに準備をするか、携帯する必要があります。
  評価項目一覧へ戻る



項目番号 項 目 名
全6.3 事故等の応急処置訓練受講者の常駐
項目内容 確認書類(望ましい取組例)
○事故や怪我に備えて、過去5年以内に応急処置訓練を受けた人が少なくとも1名、常駐している。 ○受講修了証【便利】
遵守規準
・過去5年以内に応急処置訓練を受けた人が1名以上、常駐している。
考え方
○応急処置訓練を過去5年以内に受けていることを確認できるように受講証等の提示をお願いします。過去に消防団だった、数年前に受講しただけでは、訓練を受けているか確認することができません。
○日頃から訓練を行うことで、いざという時に備えることができます。
○また、応急処置訓練を受けた人が常駐していることが大切です。家族や従業員の誰かが受講していても、日頃不在であれば、基準を満たしているとは言えません。
（参考）
消防庁HPにある「応急手当WEB講習」でも受講証明書が発行されます。
  評価項目一覧へ戻る



項目番号 項 目 名
全6.4 作業者の健康、安全等についての意見交換、危険作業の制限
項目内容 確認書類(望ましい取組例)
○管理者と作業者の責任分担を明確にし、管理者側で１名､作業者の健康､安全､福祉についての責任者を定めている。
○管理者と労働者との間で､定期的に､労働条件、健康､安全､福祉に関する双方向のやりとりを行なっており、可能な場合そのやり取りから実行に移したことがある。家族経営の場合、家族間の十分な話し合いに基づく経営が実施されている。
○機械作業、高所作業又は農薬散布作業等適切に実施しなければ 危険を伴う作業の従事者は制限している。 		○業務分掌【便利】
○管理責任者一覧(全1.2)【便利】
○作業資格一覧【便利】
○労使間の意見交換の記録【便利】
遵守規準
・管理責任者が定められており、管理者、作業者の責任分担の範囲が文書化されている。
・管理者と労働者の間で定期的に意見交換を行う場が設けられている。
・意見交換の内容（実施日、参加者、話し合いの内容、結果等）が記録されている。
・家族間の場合も十分な話し合いをする場を設けている。
・危険を伴う作業を洗い出し、作業者の資格、資質を確認し作業者を決めている。
考え方
○管理責任者、業務分担がわかる一覧表が必要です。危険を伴う作業は、誰が行うのか明記しておきましょう。
○責任者と作業者の間で、定期的に意見交換を行う機会を設けているか確認をします。日々の作業やミーティングでついでに話をするのは、日常行っていることの範囲で不定期に実施していることです。
○最低でも年1回は、労働条件、健康、安全、福祉についてじっくり話し合う機会を設けることが大切です。家族経営の場合も同様です。
○話し合った内容については記録し、必要に応じて対策をすることを求めています。面談シートを作成すると管理がしやすくなります。
○危険を伴う作業があれば、必要な資格の有無、従業員の資質や力量を確認して作業者を決めることが大切です。
  評価項目一覧へ戻る



項目番号 項 目 名
全6.5 定期的な健康診断、農薬に接する作業者の毎年実施
項目内容 確認書類(望ましい取組例)
○作業者は、定期的に健康診断を受けている。特に、農薬に接触する全ての作業者に対し､毎年(もしくは農薬の毒性についてのリスク評価に基づく頻度で)健康診断を受けられるようにしている。 ○権利・健康・福祉の手順書【便利】
遵守規準
・毎年、健康診断を受けている。
考え方
○作業者は1年に1回は必ず健康診断を受けているか聞き取りで確認をします。
  評価項目一覧へ戻る



項目番号 項 目 名
全6.6 特に危険な場所での表示や保護柵による事故防止対策、ＳＤＳの利用
項目内容 確認書類(望ましい取組例)
○作業上、特に危険な場所は表示や保護柵をする等して事故を防止する対策を取っている。
○有害な物質に関する安全のためのアドバイス(ウェブサイト、安全データシート等)を閲覧/利用できるようになっている。		 ○掲示物【便利】
○リスクマップ(全1.4)【便利】
○リスク評価表(権利・健康・福祉)(全6.1)【便利】
　・有害物質の情報資料
遵守規準
・危険な場所、作業の洗い出しがされており、表示や保護策等の事故防止対策がされている。
・SDSの確認ができるようになっている。
考え方
○傾斜地、段差、穴、低い梁等危険な場所には表示がされているかを確認します。
○危険な場所がリスクマップに記載されていることも大切です。
○SDSは、確認する方法を知っていること、どのようなものか知っていることが大切です。印刷物を保管する必要はありませんが、最新の情報を入手できるようにしていることが求められます。
  評価項目一覧へ戻る



項目番号 項 目 名
全6.7 機械・設備・装置・車両・器具・容器等の事前点検と異常時の調整・修理の実施
項目内容 確認書類(望ましい取組例)
○機械・設備・装置・車両・器具・容器等を把握し、使用前の安全装置等の確認や異常の有無、使用後の整備および適切な保管を含めた点検を行い、必要な場合には調整や修理を受ける等の措置を取っている。 ○整備・点検記録(全1.3)【便利】
遵守規準
・使用前に安全装置等の確認、異常の有無、使用後の整備、適切な保管について点検を行っている。
・必要な場合、調整、修理、法令点検を受ける等必要な措置をしている。
・整備、点検記録から、実施日、実施した内容等が分かる。
考え方
○使用前の確認、点検、使用後の整備、点検をしているかを確認します。
○確認、点検が必要な機械・設備・装置・車両・器具・容器等を洗い出し、整備・点検記録として、実施日、点検、修理の内容を記載しておくことが大切です。
○毎日使用前後に必ず点検するものは、農場管理手順等に記載しておくことも一つの方法です。
  評価項目一覧へ戻る



項目番号 項 目 名
全6.8 機械・農薬の取扱説明書等の遵守、作業に適した服装や防護装備の着用
項目内容 確認書類(望ましい取組例)
○作業者は、機械や農薬の取り扱い等の作業を安全に行えるよう、取扱い説明書やラベルの指示、リスク評価結果や農場のルールを遵守し、作業に適した服装や防護装備(ヘルメット、安全靴、ゴム靴、防水服、ゴーグル、ゴム手袋、国家検定に合格したマスク等)を適切に着用している。
○来訪者は､法律の要求やラベル上の指示に従った､もしくは所轄当局が承認した適切な防護服を着用している。		 ○農薬・機械の取扱い手順書【便利】
○表示・掲示様式例【便利】
遵守規準
・安全に作業するための服装のルールがある。
・取扱い説明書やラベルの指示、農薬取扱い手順に沿った防護装備を着用している。
・来訪者が特段の指定や注意が必要な場所に立ち入る場合、適切な防護服を着用させている。
考え方
○農薬散布作業で使用した防護服等の洗浄頻度、洗浄後の保管場所について確認をします。
○農薬取扱い手順書等に点検や管理（洗浄頻度、マスクのフィルターの交換時期等）について追記しておくと良いです。
  評価項目一覧へ戻る



項目番号 項 目 名
全6.9 防護服の洗浄と他の物を汚染しない場所での保管、日常の保守点検
項目内容 確認書類(望ましい取組例)
○防護服等は、使用目的や汚染度合いに応じて使用後に良く洗浄・乾燥している。
○防護服等は、使用前後の点検および日常の保守管理を行い、農産物や私服等他のものを汚染しない場所に保管している。		 ○農薬取扱い手順書(作3.1.3)【便利】
○洗浄、点検記録【便利】
遵守規準
・防護服等は、使用後に洗浄、乾燥させている。
・防護服は使用前後に点検している。
・農産物や私服を汚染しない場所に保管している。
考え方
○農薬散布作業で使用した防護服等の洗浄頻度、洗浄後の保管場所について確認をします。
○新たに、使用前後の点検、日常の保守管理が項目に加わったため、農薬取扱い手順書等に点検や管理（洗浄頻度、マスクのフィルターの交換時期等）について追記しておくと良いです。
○防護服の保管場所は、農産物運搬の動線上、入口付近で人との接触がないか等に注意が必要です。
  評価項目一覧へ戻る



項目番号 項 目 名
全6.10 労災保険、傷害共済、任意保険等への加入、事業継続計画(BCP)の策定
項目内容 確認書類(望ましい取組例)
○労災保険(労働者災害補償保険)や傷害共済等の任意保険に加入している。
○災害等に農業生産を維持・継続するための体制や対策を含む計画が策定されている。		 ○保険証書【便利】
○事業継続計画書(BCP)様式【国例示】【必須】
遵守規準
・農場で働く人（作業者）は、労災保険、傷害共済等の任意保険に加入している。
・災害等に備えた事業継続計画が策定されている。
考え方
○万が一に備え傷害保険や労災保険等に入っているかを確認します。
○何か入っているでは確認ができないため、どのような保険に入っているか説明できるようにしておくことが大切です。
○営農地域で想定される災害等を考慮し、事業継続計画（BCP）として、対策を検討しておくことが大切です。
○BCP策定手順は、�＿燭里燭瓩忘�定するのか、基本方針を決める��何をどのような順で復旧するのか優先順位を決める�８従�のままだとどうなるか考える�ざ饌療�な対策を考える�ザ杁淹�に誰が何をするのか考えることから始めます。
○BCP策定の要素となるのは、�〆任盻斗廚紛般海鯑団蠅垢襪海鉢�緊急時に重要な業務を復旧する時間を決めること�Ｍダ茲気擦覿般海簓�旧時間について、取引先等とあらかじめ相談すること�ぐ貭蟯�間の備蓄品の用意や生産資材等の代替策を検討すること�ゲ搬押⊇抄醗�と方針や内容について共有することです。
○農林水産省作成のチェックシート、参考様式がありますので、順番に入力することでBCPを作成することができます。
【参考】
埼玉県HP　「農業版」事業継続計画について
  評価項目一覧へ戻る



項目番号 項 目 名
全6.11 危険作業従事者の必要な資格や免許の取得と力量、取扱い説明書の常備
項目内容 確認書類(望ましい取組例)
○農場で危険性の高い機械や設備、化学物質等を使用する者は、必要な場合は免許の取得または講習の受講に基づく充分な力量を持ち、運転や操作、取扱いは法令等に準拠している。
○ボイラー及び圧力容器の設置・使用に必要な場合は届け出を行い、取扱作業主任者を設置し、自主点検を定期的に行い、記録を保管している。
○農業機械の取扱い説明書は、いつでも取り出して読めるようにしている。		 ○作業資格一覧(全6.4)【便利】
○業務分掌【便利】
○各資格証書【便利】
○許可・届出証書【便利】
○届出書類、自主検査記録(ボイラー)(該当する場合)【必須】
○取扱説明書【必須】
遵守規準
・危険性の高い作業や機械操作等は、資格、免許、講習受講の有無等確認している。
・ボイラー、圧力容器の設置、使用に必要な届出をしている。
・取扱作業主任者を設置し、自主的に定期点検を行い、記録を保管している。
・農業機械の取扱い説明書は、いつもで確認できる場所に保管している。
考え方
○トラクターやフォークリフト等、免許が必要な機械を操作する者は、法律で必要な免許や資格があるか確認をします。
○技能講習が必要なもの（牽引、ミニショベル、玉掛、ドローン、フォークリフト等）は講習を受けているか確認をします。
○従業員に刈払い作業をさせる場合は、講習の受講が必要です。
○従業員に作業をさせる場合も責任者が確認していることが大切です。
○届出が必要なボイラー（茶等）がある場合は、必要な届出等がされているか、取扱作業主任者の設置、点検記録を確認をします。
○農業機械等の取扱い説明書は、作業者がいつでも読める場所に置かれているか確認をします。自宅等従業員がすぐに確認できない場所での保管は、要件を満たしているとは言えません。
  評価項目一覧へ戻る



項目番号 項 目 名
全6.12 作業者向けの清潔な休憩所、手洗い設備、飲み水の利用
項目内容 確認書類(望ましい取組例)
○農場の作業者が､清潔な食品置き場､所定の休憩場所､手洗い用設備、および飲み水を利用できるようになっている。 ○権利・健康・福祉の手順書(全6.5)【便利】
遵守規準
・作業者が利用できる清潔な食品置き場、休憩場所、手洗い、飲み水がある。
考え方
○農場内で飲食する場合、食べ物を保管する場所、休憩できる場所、手洗い設備、飲み水が利用できるようになっているかを確認します。
○働く人の福祉の観点から、休憩場所が確保され、衛生的な食事場所が提供されていることが大切です。
○自宅で食事をする場合はこの限りではありません。
  評価項目一覧へ戻る



項目番号 項 目 名
全6.13 住み込み作業者のための基本的サービスや設備の設置
項目内容 確認書類(望ましい取組例)
○農場に住み込む場合､そこは居住可能な場所で､基本的なサービスや設備が備えられている。 ○権利・健康・福祉の手順書(全6.5)【便利】
遵守規準
・居住するのに、基本的なサービス、設備（建物、飲み水、トイレ、排水等）が備えられている。
考え方


○研修生等、農場に住み込む場合の住居は、快適に居住ができることが大切です。